2024年4月施行「子育て世帯訪問支援事業」法定化 家庭訪問型子育て支援が、制度として全国へ

支援制度・法律

2024年4月、「家庭訪問型子育て支援」が大きな節目を迎えました。
これまで一部自治体やNPOなどが独自に取り組んでいた訪問支援が、「子育て世帯訪問支援事業」として法的に制度化され、全国で整備・実施が進められることになりました。
子育て家庭にとって、もっと身近で安心できる支援が受けられるようになるこの法定化は、地域での子育て環境にとっても大きな一歩です。
本記事では、制度の概要から背景、具体的な支援内容、そして今後の課題までを、わかりやすくお伝えします。

1. 制度化の概要 — 家庭訪問支援が法律で明記されるように

2022年の児童福祉法改正を受け、2024年4月より「子育て世帯訪問支援事業」が正式に法定事業として位置づけられました。
家庭を訪問し、家事・育児の援助や傾聴、育児に関する情報提供などを行う支援が、制度の柱となっています。

  • 対象:要支援児童、要保護児童、特定妊婦、ヤングケアラーなど
  • 支援内容:家事や育児の補助、相談対応、情報提供、傾聴・見守りなど
  • 実施責任:市町村が「努力義務」を負い、予算措置を前提に積極的な取り組みが求められます

2. こども家庭センターとの連携が鍵に

市町村における「こども家庭センター」の設置も努力義務となり、地域の総合的な子育て支援拠点として位置づけられました。
このセンターを通じて、産前から学齢期まで切れ目のない支援が行われ、家庭訪問支援とも連携していく仕組みが整備されています。

3. ガイドラインの策定で現場の不安を軽減

2024年3月末、厚生労働省より「子育て世帯訪問支援事業ガイドライン」が公表されました。
これにより、支援員の研修内容や支援活動の流れ、個人情報の扱いなどが明確になり、自治体や実施団体が安心して準備・運用できる基盤が整いました。

4. ヤングケアラー支援も対象に含まれる

家庭内でケアを担う子どもや若者(ヤングケアラー)への支援も新たに明記され、単に乳幼児の育児支援にとどまらず、より包括的な家庭支援が制度の中で保障されるようになりました。

5.注目されるメリットと今後の課題

メリット デメリット
制度的な裏づけ → 安定的な財源・継続性
家庭と地域のつながりが広がる
切れ目のない支援体制
支援員の人材確保と質の担保が必要
地域間格差の是正が求められる
行政とNPOの協働体制構築が鍵

6. 家族支援の制度強化の流れ

この法定化にとどまらず、現在国では「家庭支援」のあり方そのものを見直し・拡充しています。

  • 産後ケア、親子ショートステイ、一時預かり
  • 家族関係調整支援(離婚後の子どものケアなど)
  • 市町村による「利用勧奨(利用提案)」の制度化

これらが組み合わさることで、子育て家庭の多様な状況に柔軟に対応できる仕組みが整いつつあります。

まとめ

「子育て世帯訪問支援事業」の法定化は、子育て中の家庭にとって心強い制度的後ろ盾です。
支援が“必要な人に、必要なタイミングで”届くように、自治体・団体・地域の連携が一層重要になります。

私たち「あいち家庭訪問型子育て支援情報サイト」では、こうした法制度の動きをタイムリーにお伝えし、地域の支援につながる橋渡しをしてまいります。

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